健康的な食事を意識することは、長生きする時代において必須と言えます。
全粒粉を意識的に取り入れることは、私たちの健康を保つうえでとても有益です。
小麦の強力な健康効果は、肥満を抑制し、活力を上げ、2型糖尿病を抑制、代謝を高め、喘息を予防し消化を促進する働きがあります。

私は健康的な食事が好きです。その理由は、将来の病気を防ぐ目的があります。人生100年時代になり、私たちは医療の力においても長生きできるようになりましたね!
長生きを喜ぶ前提は、健康であることだと思います。病気がちのまま長生きをしたくはありません。それに、病気をすればその為の医療費を支払うことになります。
健康でいることは、将来を楽しむことが出来る上、お金の倹約(節約)にもなるのです。

小麦って体に悪いんじゃないの?という疑問もありそうです。小麦粉は食べるな!って言葉たまに見かけますね。私もそうなの?なんて思って調べたりします。
私の個人的な意見としては、白い小麦は控えたほうが良いでしょう、と思います。 「と、思います。」という理由として、何をどう信じるかはそれぞれであり、人の体質もそれぞれなのです。
だから、あなたの体に合わせて選んでよいのではないかなと私はそう思っています。
私は、白い小麦を控えめにしています。白米を控えているのと同じで白い穀物(精製されたもの)を食べ続けると体調が悪くなります。
しかし、小麦であっても全粒粉や全粒穀物は積極的に食べています。これらは、健康を維持するのに大変な貢献をしてくれるからです。
その健康に貢献してくれる、小麦(全粒穀物)のメリットを見ていきましょう。
小麦って何?
小麦は、イネ科の植物に由来する最も一般的な穀物です。
小麦の穀粒は、ふすま(表芽)・小麦胚芽・内胚乳で構成されています。

精製されていない小麦には、炭水化物・食物繊維・適量のたんぱく質がふくまれています。穀粒の心臓部である小麦胚芽には、特にビタミンEが豊富に含まれています。
そして、チアミン・葉酸・ビタミンB6などのビタミンやマンガン・マグネシウム・亜鉛などのミネラルが含まれています。
世界中の食生活の構造ではビタミンB群の主な供給源となっていることで知られています。
穀粒の外層である小麦ふすまには、リグナン・フェルラ酸・フィチン酸・アルキルレゾルシノール・ルテイン・フラボノイド・サポニンと呼ばれるファイトケミカルや抗酸化物質が豊富に含まれています。
栄養 | 全粒粉 | 白い小麦粉 |
水 | 14.00 | 14.00 |
タンパク質 (g/100) g) | 12.73 | 11.54 |
脂質 (g/100) g) | 2.41 | 1.60 |
炭水化物 (g/100 g) | 69.34 | 69.88 |
ファイバー(g/100) g) | 10.31 | 2.31 |
カルシウム (mg/100) g) | 32.76 | 14.45 |
鉄 (mg/100 g) | 3.47 | 0.87 |
マグネシウム (mg/100 g) | 132.00 | 24.09 |
リン (mg/100 g) | 343.96 | 93.46 |
カリウム(mg/100) g) | 349.74 | 96.35 |
ナトリウム(mg/100) g) | 1.93 | 1.93 |
亜鉛(mg/100) g) | 2.51 | 0.82 |
チアミン (mg/100) g) | 0.48 | 0.08 |
リボフラビン (mg/100 g) | 0.16 | 0.06 |
ナイアシン (mg/100 g) | 4.78 | 0.96 |
B-6 (mg/100) g) | 0.39 | 0.04 |
葉酸 (mg/100 g) | 42.39 | 31.79 |
ビタミンA (mg/100) g) | 8.67 | 1.93 |
ビタミンE (mg/100) g) | 0.68 | 0.39 |
ビタミンK (mg/100) g) | 1.83 | 0.29 |
USDA食品全国栄養素データベースからのデータ。
小麦にはこれらの多くの栄養素が含まれています。これらの栄養素が私たちの健康上でどんな効果を与えてくれるのかを見ていきましょう!
※ここで言う「小麦」とは、精製されていない小麦の事を表しています。
※全粒穀物とは、小麦・玄米・大麦・トウモロコシ・ライ麦・オーツ麦・雑穀などのことです。
※それらの製品として、全粒粉パン・全粒粉パスタ・ブラウンシリアル・玄米シリアルなどあります。
① 肥満の抑制・メタボ障害を防ぐ

全粒穀物である小麦には体重をコントロールする能力があります。
全粒粉の製品を長期間摂取した女性は、他の人よりもかなり多くの体重減少が見られました。また、米国臨床栄養学会誌では精製された小麦よりも全粒粉の方が良い結果であることを研究で示しています。
全粒穀物は、メタボリック症候群に壮大な効果を発揮します。
一般的なタイプ(体格)には「洋ナシ型」とも呼ばれる内蔵肥満・高コレステロール・HDLコレステロールの低レベル・高血圧などがあります。
全粒粉製品を取ることでこれらの状態から身を守ることが出来きます。【AJCN】
全粒穀物の摂取量が多い(一日3食程度)ほどBMIと肥満率が低くなることがわかりました。【Cambridge University Press】
肥満や高血圧など生活習慣病にある人は、全粒穀物を意識して食べることで体重減少をはじめそれら生活習慣病から身を守りまた、改善することができます!
② 2型糖尿病を防ぐ

小麦には300種類以上の酵素の補酵素として働くマグネシウムが豊富に含まれています。
これらの酵素は、インスリンやグルコースの分泌のために体の機能的な利用に関与しており、全粒穀物の摂取は2型糖尿病のリスクを減少することがわかっています。その効果は胚芽よりもふすまの方が強いそうです。
マグネシウム不足が糖尿病につながることが明らかになっています。マグネシウムはストレスによっても減るミネラルで、2型糖尿病や心血管疾患のリスク抑制に関する研究結果が発表されています。
マグネシウム不足にならないようにしましょう!

③ 慢性的な炎症を抑える

小麦に含まれるベタインは、リウマチ性の痛みや病気の重要な要素である慢性炎症を予防します。
抗炎症性は、骨粗鬆症・心臓病・認知機能の低下・2型糖尿病などの他の病気のリスクを減少します。
慢性炎症によって伴う病気は多くあります。アレルギーや喘息・生活習慣病や癌、心臓病、関節リウマチ、2型糖尿病、喘息、アルツハイマー病など。はじめは疲労などから始まりそれが長期化することで命の危険を脅かす状態になります。
全粒粉を摂取して慢性炎症の予防をしましょう!
④ 代謝を高める
全粒粉に含まれる食物繊維は、体内の消化機能と全体の代謝を高めてくれます。
精製された穀物の食品は、体重を増加させるだけではなくインスリン抵抗性の危険性を高める傾向があることが研究で明らかになっています。【NCBI】
精製された白い穀物は、体重を増加させ、インスリンが効かなくなる危険な可能性があります。全粒粉のパンなど食物繊維が豊富な食品を食べることで消化を高め代謝も高めてくれます。
⑤ 小児喘息の予防
小児期のアレルギーと喘息に関する国際研究では、小麦を中心とした食生活は喘息を発症する可能性を50%近く下げる能力があることが数多くの研究で証明されています。
多くの調査では、全粒穀物や魚を多量に食べている子供は、これらの食品には、マグネシウムやビタミンEが多く含まれているため、このような病気に悩まされることはないとされている。
※注意 小麦アレルギーの可能性がある場合は医師に相談すること。
全粒穀物や魚を意識して摂取することで現代病とされるアレルギーや喘息の発症を下げることが出来る。小麦はアレルギーを誘発など聞くけれど、それは白い小麦(精製されている小麦)のこと。全粒粉パンや玄米フレイクやオールブラウンのフレイクなどに切り替えよう!(できる限り、砂糖やブドウ糖果糖など不使用を選ぶこと)
⑥ 心臓病を防ぐ

全粒小麦には、心臓病から身を守るエンテロラクトンと呼ばれる植物性のリグナンが豊富に含まれています。
デンマークの雑誌では、全粒粉を食べている女性は、この防御力のあるリグナンの血中濃度がかなり高かったという研究結果が発表されています。
さらに食物繊維を多く含む全粒穀物の製品は、血圧値をかなり下げ心臓発作の可能性を低くします。
全粒穀物を多く摂取すると、血中のトリグリセリド(中性脂肪)や脂肪を低下させます。これにより動脈硬化や脳卒中の進行が遅くなります。Cambridge University Press
イギリスの医学誌に発表された研究でも、グルテン過敏症でない人がそのような製品を避けるべきではないと結論付けています。流行りのグルテンフリーの食事に従うことは、心臓病のリスクの増加につながる全粒穀物の全体的な消費量を低下させる可能性がある。The bmj
全粒小麦を摂取することは、心臓病の予防になる。また、食物繊維の多い全粒穀物を摂取することで中性脂肪など低下させてくれる。心臓病(心疾患)は日本人の死因で第2位です。(2019年度)心臓病の引き金となるものには生活習慣病(高血圧症、高脂血症、脂質異常症、糖尿病など)があります。
心臓病のリスクを予防するために、全粒穀物の摂取を習慣化しましょう!
⑦ 腸の健康
小麦ふすまには食物繊維が多いため、人間の腸内細菌叢(さいきんそう)にプレバイオティクス効果があります。
それは消化管内の「善玉菌」を養うのに役立ち、消化を改善し、体内の栄養素の取り込みを増加させます。
また、この穀物の一形態であるブルグルは、抵抗性でんぷんの優れた供給源です。小腸で消化されないため、腸内フローラの餌となります。
●プレバイオティクスとは、腸内にいる善玉菌を活性化したり腸の活動を改善して腸内環境をよくする食品のことです。
例)全粒粉パン・ライ麦パン・オールブラン・玄米シリアル・オーツ麦・玄米・雑穀など。
食物繊維を多くとることで、血糖値の急上昇を抑える・腸内細菌の活性化・便秘の改善・血中コレステロール・中性脂肪の減少の効果が得られます。慢性的な便秘など無駄な負担がかかることで大腸の壁に嚢のうが出来てしまうことがあります。食物繊維が豊富な食事を心がけ腸内環境をよくしましょう!
⑧ 皮膚の健康

小麦に含まれるセレン、ビタミンE、亜鉛は、肌に栄養を与え、ニキビと戦い、に焼けによるダメージを防ぐのに役に立ちます。
また、食物繊維が多く含まれているので、消化器官を最適な状態にたもち、毒素を定期的に排出するのに役に立つ。これにより、肌をなめらかで若々しい状態に保つことが出来る。
また、亜鉛は健康な髪の毛を促進し、環境要因によるダメージから髪の毛をまもります。
⑨ 目の健康

全粒小麦に含まれるビタミンE、ナイアシン、亜鉛は、黄斑変性症や白内障のリスクを低下させます。
精製されていない穀物に含まれるルテインは、目の健康を改善するのに役に立つ。
ルテインが不足すると目の病気にかかりやすくなります。ルテインは、細胞が光による酸化ダメージから守ってくれます。また現代の強い光である青い光(人工の光)を吸収してくれます。テレビ・スマホ・蛍光灯・ゲームなどの生活の中で過ごしていますので目の病気を防ぐためにも、全粒穀物を積極的に取りましょう!
⑩ がんの予防

特に女性の場合、小麦は抗がん作用があります。
研究では、毎日約30グラムを消費すると、乳がんのリスクを減らすために十分であると言われています。
報告書では、それを消費した閉経前の女性は、小麦を食べていない他の人と比べて41%減少したことを証明しています。
さらに、イギリスのがん研究で、
全粒穀物と果物を使った食物繊維が豊富な食事は、女性乳がんを抑えるために非常に重要であることがわかりました。Canser research UK / Canser research UK
小麦ふすまは便中の胆汁酸(たんじゅうさん)の分泌と細菌酵素を減少させ、それによって大腸がんの可能性を減らすことができる。NIH
さらに研究によると、小麦ふすまにはリグナンが含まれており、がん細胞の増殖を防ぐのに役に立つ可能性のある植物栄養素です。
リグナンはしばしば体内のホルモン受容体を占めており、それによってがんの特定の危険因子を緩和することができます。/ NIH
乳がんのリスクやその他のがんのリスクを下げるには、全粒穀物や小麦の全粒粉を習慣的に取り入れましょう!その方法の一つとして普段食べている食パンを全粒粉パンや玄米シリアルやグラノーラに置き換える。パスタは全粒粉パスタにする。ご飯は玄米にするなど日常的に食している白いものを茶色いもの煮変えることで補えます。そしてフルーツも意識的に取り入れましょう!
まとめ
日本人の死亡の6割以上が生活習慣病が原因です。
死因で上位に挙がっているのは、がん・心臓病・脳血管疾患です。
①肥満・メタボを防ぐ
(全粒穀物を摂取して肥満・高血圧を防ぐ)
②2型糖尿病を防ぐ
(マグネシウムの摂取で予防する)
③慢性的な炎症を抑える
(全粒小麦で抑える)
④代謝を上げる
(食物繊維が豊富なものが代謝を上げる)
⑤小児喘息を予防
(全粒穀物と魚を意識して摂取)
⑥心臓病を防ぐ
(食物繊維の多い全粒穀物を摂取)
⑦腸の健康を改善
(プレバイオティクス食品を意識する)
⑧皮膚の健康
(全粒小麦で肌と髪が若返る)
⑨目の健康
(全粒小麦でブルーライトから守る)
⑩がんの予防
(食物繊維30gで乳がんのリスクが41%減少)
最後にちょっとだけ
全粒小麦や全粒穀物を食べることで良い結果が得られるのは、あらゆる研究からも明確です。10個のメリットを取り上げましたが、それ以外にも肝臓のデトックスや胆石を防いだり、うつ病などの緩和にも役に立ちます。
毎日食べている白いお米を玄米に置き換えたり、パンを雑穀パンや全粒粉パンなどに置き換えるなどすることで、長期的に健康な身体を得られます。
日常のちょっとしたことを変えてみましょう!
まずは運動よりも食生活からだと思っています!食生活を変えるだけで体重も減少しますし健康な体が得られてきます。体が軽くなったら自然に運動をしたり活動的になります。
その為、まずは、食事に変化を与えてみましょう!